スイッチングハブで音質(ノイズ)が変わる理由

ネットワークオーディオを使用したことがあるなら気づいている方も多いかもしれませんが、
LANケーブルでのやりとりとなる音源データの音質の良し悪しは、実はスイッチングハブによっても変わります。
では、スイッチングハブはどのような仕組みによって音質が変わるのでしょうか?

スイッチングハブとは

スイッチングハブは複数のパソコンを接続する際の中継器となっていますが、通常のハブとは異なった性質を持っています。

一般的に使用されるLAN環境の100BASE-TXから1000BASE-Tという通信速度の物と違い、
全二重通信と言われるデータのやりとりをする機器同士の双方向同時通信が可能となるため、一方の機器しか通信が行えない半二重通信の2倍の転送速度が得られます。

また、スイッチングハブはネゴシエーションと言われる機器同士の接続が自動となるため、データを送信する必要があるポートのみに転送などができるようになっています。
接続している全ての機器にデータを送ってしまう従来のハブで起きていた、ネットワーク上のデータ混雑による通信速度の低下を軽減できます。

つまりスイッチングハブは、理論上の高速通信と負荷を低減させた円滑なネットワーク環境の構築を可能とする物と言えます。

スイッチングハブの使用で音質が変わる(ノイズが起きる)要因とは

スイッチングハブ使用時にノイズが起きる主な要因としては、信号を伝えるための電流が周囲の電磁界へ電波を放出することで雑音となってしまうことが挙げられます。

機器で扱う情報量が増えるにつれて信号となる電流の周波数が高くなり、ノイズが発生しやすくなります。
そのノイズによって通信障害が引き起こされる場合もあり、オーディオ機器では音が悪くなる原因にもなります。

また、スイッチングハブ本体のみならず接続するケーブルからの影響も考えられ、コネクタの不具合で雑音が乗って機器本体や通信の障害を起こす可能性が高くなります。
さらに、アナログ機器は微弱な信号を扱うことが多く、わずかな動きによってノイズが起きることも考えられます。

スイッチングハブ使用時のノイズを回避する方法とは

スイッチングハブ使用時に起きるノイズを回避する方法としては、オーディオ用のNAS(ミュージックサーバー)に変えるなどして音質を上げることが挙げられます。

また、ネットワーク構成を変えてみるのも有効となります。
LANケーブルはアナログ電気ノイズを拾いやすいという特徴があるため、ネットワークプレーヤーの再生音に影響する場合がありますので、ノイズに強いケーブルを短く使うことがおすすめです。

スイッチングハブ自体を性能の良い物へと交換して、電源ノイズ流出を少なくする、デジタル信号の流れを安定させることなどで、音質の違いを比較してみることをおすすめします。

前述の通り、スイッチングハブによる音質変化はノイズが発生する仕組みや干渉を受ける機器との相性など、様々な要因が絡んでいます。
音声データの音質向上を求めるのであれば、ノイズ障害の元となる要因をきちんと調べて、要因に応じた適切な対処を行うことが重要と言えるでしょう。