DSUとONUのいずれもネットワーク回線に用いる装置ですが、回線の種別が違い、DSUはdigital service unitの略で、NTTのINSサービスであるISDN回線等で、ONUはOptical Network Unitの略で光電話サービス等で加入者側に置かれる装置です。
デジタル回線終端装置(DSU)の役割や仕組み
インターネットの草創期にアナログ回線を用いたモデムによる通信が始まりました。
その頃の最大通信速度は24K~56Kbpsと低速でした。
それに対し、同じメタル線でデジタル通信を実現するISDN回線サービスをNTTが展開し、通信速度は64Kbpsもありました。
設定をすると2倍の128Kbpsになるので、アナログ電話回線からデジタルに変更する加入者が増えました。
1回線契約に対し1つのDSUが必要で、最大で8台までデジタル機器の接続が可能でした。(同時通信可能な機器は2台までOK)
G4FAX等のISDNサービス専用のFAXがありましたが、あまり普及せずに、コンピュータの通信に用いられることから、DSUが内蔵されたTA(ターミナルアダプタ)が販売されるようになり、単体機器としてはあまり目に触れることが少なくなりました。
光回線終端装置(ONU)の役割や仕組み
メタル回線のDSUに対して、ONUは光ファイバー回線に用いられる光回線の回線終端装置です。
光信号を電気信号に変換し、光ファイバーを接続するコネクタと、LAN接続の為の通信ポート(イーサネット、無線LAN機能など)を装備しています。光信号と電気信号の相互変換などを行なう装置です。
最近では複数のLANスイッチポートを持つ機器が出て、ブロードバンドルーターとしての機能を持つ製品が主流であり、別途ルーター等を準備しなくてもONU単体を用意するだけで、インターネット通信ができるようになっています。
ONUは認証機能を備えている為、加入者以外の者が勝手に光ネットワークにONUを接続しても通信が出来ないようになっています。
主な認証方式はMAC(メディアアクセスコントロール)アドレス(別称:イーサネットアドレス)認証がとられているので、セキュリティが確保されています。
ONUとDSUの違いは?両者の見分け方とは
ONUとDSUの決定的な違いは、冒頭でも述べたように光回線かメタル回線かの違いです。
DSUはメタル回線で2芯のメタル線を用いているのに対し、ONUは光ファイバ回線で、初期の頃は2芯式(送受信が別々)でありましたが、最近では1芯式が主流です。
また、ONUは回線加入者宅内の装置であることに対し、光回線事業者側でOLT(Optical Line Terminal)等の光終端装置が設置されています。
DSUも1デジタル回線に対して、その回線の終わり(終端)を示す装置があればよいので、加入者宅内に設置する装置としては1つ設置するものです。
回線構成によっては2つ以上設けることがありますが、一般家庭ではほとんどありません。
その他、DSUはTA(ターミナルアダプタ)やルーターに接続してから通信を行いますが、ONUは一般的にTAやモデムの機能を持ち合わせているため、ネットワークに直に接続できるという違いがあります。