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SIP SIP GWとは?仕組みやメリットを詳しく解説!

2024年1月より、国内の固定電話網は、従来の通信網からIP網に切り替わる予定です。背景には、コミュニケーション手段の多様化により加入電話の契約数が減少していることや、電話の交換設備が2025年頃に維持限界を迎えることなどがあります。

これまでは音声に特化したPSTN接続を使ってきましたが、IP接続を用いれば、インターネットや音声、映像サービスなどを同じ回線で一括して提供可能です。そのため、IP網への切り替え後にはさまざまなサービスの提供が始まると考えられており、光回線や高速モバイル通信の一層の普及が見込まれています。

SIP SIP GW(SIP SIP ゲートウェイ)とは、IP網への接続を可能にするゲートウェイ装置です。ここでは、SIP SIP GWの仕組みや、関連するIP電話、VoIP、SIPについて解説します。

そもそもSIPとは?

IP電話の仕組みのなかでよく耳にする言葉に「SIP」「VoIP」があります。ここでは、それぞれの意味や違いを解説します。

◇SIPとは?

SIP(Session Initiation Protocol)とは、VoIPを用いた音声通話を成立させるために必要なプロトコル(取り決め)です。SIPは、電話の接続・切断などの「呼制御(シグナリング)」の処理を行なう際に用いられています。シグナリングで相手を特定し、通信チャネルを確保することで初めて通話できるため、シグナリングの処理ができないとIP電話は使えません。

シグナリングの手順や仕組みに用いられるプロトコルには、いくつか種類がありますが、近年はほぼSIPに統一されつつある状況です。なお、シグナリングのプロトコルが発信側と受信側で異なると、通話できないことがあります。

◇VoIPとSIPの関係性や違いについて

VoIP(Voice over Internet Protocol)とは、インターネットなどのIPネットワークを用いて音声データをやりとりする技術の総称です。IP電話とは、このVoIP技術を利用した電話サービスです。

IP電話には、音声信号とIPパケット(データ)を相互に変換する「VoIPゲートウェイ」という機器を用います。IP電話の仕組みは、以下のとおりです。

【IP電話の仕組み】

  1. 発信側の音声信号を、電話機が電気信号に変換する
  2. 電気信号をVoIPゲートウェイ(発信側)がIPパケットに変換する
  3. IPパケットVoIPゲートウェイ(着信側)が電気信号に復元する
  4. 復元された電気信号を、電話機が音声信号に変換して通話が成立する

前述のとおり、VoIPはIPネットワークを用いて音声データをやりとりする「技術」の総称であり、明確な取り決め(プロトコル)がありません。VoIPの仕組みを実現し、IP電話を成立させるためにはプロトコルが必要になります。SIP は、このようなVoIPを構成する複数のプロトコルの一つです。VoIPは、SIPなどのプロトコルによって成り立っているといえます。

SIP SIP GW(SIP SIP ゲートウェイ)とは?

SIP SIP GW(SIP SIP ゲートウェイ)とは、IP電話サービス網への接続を可能にするゲートウェイ装置です。キャリアが提供するIP電話サービスを接続することで、通信コストの削減や、高音質な音声通話が実現できます。

ここでは、SIP SIP GWの内容を解説します。

◇ゲートウェイの意味

「ゲートウェイ(gateway)」とは、ネットワーク通信において規格や性質が異なるデータ同士の、相互通信を可能にする機器です。

ここではゲートウェイの意味を理解しやすいよう、VoIPゲートウェイを例に挙げます。VoIPゲートウェイは、アナログ電話サービス網と、IP電話サービス網を中継・変換する通信装置です。

従来のアナログ電話とIP電話は、そのままではデータを送受信できません。アナログ電話サービス網とIP電話サービス網の間に置かれたVoIPゲートウェイが、以下のような役割を果たすことで通話できるようになります。

【役割の一例】
・アナログ音声とデジタルデータの変換
・電話番号とIPアドレスのひも付け
・電話網をまたいだ電話の接続や切断などの制御

ゲートウェイと似た言葉に「ルーター」があります。ルーターは機器そのものを指し、ゲートウェイは機器の役割を示すと考えるとわかりやすいでしょう。ゲートウェイには、VoIPのほかにもいくつかの種類があります。

◇SIP SIP GWとは?

キャリアのIP電話サービス網とIP-PBX電話網との接続を可能にするゲートウェイ装置であり、キャリアのIP電話サービス網とIP-PBX電話網の間に設置します。

その機能は、キャリアが使用するSIPとIP-PBXが使用するSIPに差分(方言をイメージしてください)がある場合に、その差分を吸収するものです。これにより、既存のIP-PBX装置をそのまま使用して、キャリアのIP電話サービスを利用できるようになります。

◇Microsoft TeamsではSIP GWの一般提供を開始

Microsoftは2021年、Microsoft Teams向けのSIP GWの一般提供を開始しました。互換性のある SIP デバイスを Teams に接続すれば、Teams電話へのシームレスな移行が可能になります。このSIP GWは、TeamsとSIPデバイスを接続するゲートウェイという位置づけになります。
 
なお、Teams電話は、以下のような場面で活用できます。

【外線】
・今ある固定電話機で代表番号や部署番号を使う
・パソコンでいつでも代表番号や部署番号を使えるようにする
・受付や会議室などの共有スペースに設置している電話機で代表番号や部署番号を使う
【内線】
・今ある固定電話機を内線用の電話機として使う

基本的には、Microsoft 365のベースライセンスを用意し、必要なライセンスを組み合わせることで上記のように活用できます。

SIP SIP GWを使用するメリット

SIP SIP GWを使用すると、以下のようなメリットを享受できます。

【おもなメリット】
・呼び出しの送受信・・・通話の送受信ができる
・ボイスメール・・・発信者が残した音声メッセージが聞ける
・デュアルトーンマルチ周波数・・・対話型の音声応答を呼び出している間、ユーザーに番号キーを押してもらうことでメニュー選択などを自動化できる。8つの異なる周波数信号を、高周波と低周波のペアで送信することで、16種類の数字・文字・記号を表現できる
・通話転送・・・ブラインド転送やコンサルティング転送により通話を転送できる

まとめ

SIP SIP GW(SIP SIP ゲートウェイ)とは、IP電話サービス網への接続を可能にするゲートウェイ装置です。SIP SIP GWにキャリアが提供するIP電話サービスを接続することで、通信コストの削減や高音質な音声通話が実現できます。

2024年1月以降、国内の固定電話網は従来の通信網からIP網に切り替わり、さまざまなサービスの提供が始まると考えられています。これを機に、SIP SIP GWへの理解を深めておきましょう。

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