雷の発生は宇都宮のような内陸部では夏に多く、金沢のような日本海側の地方では冬に多くなっています。
関東地方では毎年7~9月までの間は雷の発生が多くなる傾向にあります。
落雷が起きると「雷サージ」と呼ばれる大きな電流が瞬間的に発生する可能性があり、
その雷サージがあらゆるケーブルを通してネットワーク機器に流れ込んできます。
例えば家庭内の通信ケーブルや接続用のケーブルを通して雷サージが流れ込んでくると、
家庭で使用しているパソコンやLANポートや電話線ポートなどの接続機器が故障してしまう原因になります。
そのようなネットワーク機器トラブルに遭わないためには、雷サージに対する対策を十分に行うことが重要です。
落雷でネットワークや機器が損傷を受けるメカニズム
雷サージ発生によるネットワーク機器の損傷には、直撃雷・誘導雷・逆流雷という3つの要因が挙げられます。
このうち直撃雷は、ネットワーク機器がある環境近辺の電線に落雷が発生し、それによって発生した過電流・高電圧によって機器を損傷させます。
誘導雷は最も雷サージの発生が多い要因で、電磁誘導によってコンセント(電源コード)やケーブルから電流が侵入して機器を損傷させます。
逆流雷は落雷により接地アースの電位変動から、家庭内に侵入したりして、機器を故障させてしまいます。
いずれも、ネットワークに繋がった通信線やコンセントに繋がる電源線で接続されているケースでの発生が多いのですが、これは通常の2線だと電流の逃げ場がどうしても生じるため、機器の内部の半導体を故障させることが多いです。
ネットワークや機器の損傷を防ぐための雷対策とは
ネットワークや機器の損傷を防ぐ方法としては、雷の発生が予測されている場合に以下の作業を行うことが挙げられます。
- パソコンやネットワーク周辺機器を正常に終了させ、電源コードを抜く
- ケーブルモデムの電源コードや電話線のコードを抜く
- 電話線やLANケーブルをネットワーク機器から抜く
前述したように、雷サージは電源線やケーブルから侵入してくる場合も多いので、上記の作業を行うことである程度の損傷被害を防ぐことが可能と言えます。
ただし、直撃雷のような建物や電線への直接の落雷によって起きた雷サージでは、電源コードなどを抜いたからといってネットワークや機器の損傷は防げません。
その場合は、建物自体に雷保護の設備などを設置するなどの対策が必要となります。
雷サージ対策が施された機器とは
前述した対策方法以外にも、雷ガードや避雷管などの雷サージ防護機器を活用することも対策として有効です。
雷ガードや避雷管には、バリスタやガスアレスタといった雷サージを吸収する保護素子が内蔵されています。
バリスタは主にコンセントなどの電源系の雷サージ対策に、ガスアレスタは主に通信系の保護に利用されます。
この保護素子があることで、通信システムの架空線やケーブルなどに一定以上の電圧や電流が流れた際にそれを吸収して瞬時に放電したり、機器などの回路中に絶縁部分を作り出して電圧を抑制、異常電流をバイパスさせてアースへ逃し、重要な回路の保護をしてくれます。
以上のように、雷サージ対策としては様々な方法がありますが、どの対策を講じた方が良いかについてはネットワーク環境や機器の設置状況によって異なります。
家庭のネットワークや機器がどのように接続されているのかをよく確認し、それに適した対策を行うようにしましょう。